【過去ブログ】3,700キロ、もう一つの家族が教えてくれたこと ~「生きる」と『活きる』~
10月28日から11下旬にかけてインコネメンバーの過去のブログをご紹介いたします。
今回の過去ブログは、昨年の10月に公開されたインコネ2期生の九角拓磨のブログです。
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「また来るね。」
いつだって全力で素直な笑顔のノンテノイのみんなへ。
現役最後のNongtaenoy村、
初めて涙した。
ラオスとの出会い
「九角くん海外好きそうやーん!
絶対できる!やろう!やっとこう!」
当時中学3年生。
ある先生のそんな後押しで
僕は"文化委員長"を務めることになった。
"ある国"の恵まれない子供たちのため、
全体集会や呼びかけたり、
休み時間を利用して書損じハガキやプルタブを集めるというもの。
そしてその"ある国"こそ
INCONNEの支援先【ラオス】だった。
思い返せば、偶然にもこの頃に初めて僕は
【ラオス】という国と関わることになる。
当時は、
ラオスという国がどこにあって、
僕に一体何ができるのか。
何もかもをわからないままに、ただやった。
でもその頃からだった。
「平等ってなに?」
「産まれた場所が違うだけで、僕はオモチャが買えて、あの子は服さえ買えない」
「僕は勉強なんてしたくないのに、あの子たちは勉強したいと願ってる」
同じ年、同じ子供。
この差、この違い。
幼いながらに、
この世界に混在する不条理を垣間見た。
高校では、国際交流・国際協力なども
盛んな和太鼓部に入部し、
貧しいところに暮らすガーナの子供たちのため
チャリティーコンサートを行った。
ただ送金するではなく
なぜ必要でどのようなルートで届けられるのか、
勉強会もしたけれど、
僕にはどこかやっぱり"遠い国の誰か"に変わりはなかった。
【誰のためか】
【なぜ困っているのか】
【彼らをそうさせているのは何か】
"ナマ"を知りたくなった。
そうしてINCONNEと出逢い、
運命的にもラオスという国へ、
僕は初めて足を運んだ。
そこは世界最貧国の一つ、
東南アジアの中でも最も経済発展の遅れている国。
本当の貧しさ
「貧困の人たちは可哀想なひとだ」
”ナマ” を知ったとき、そんな屈折した固定概念が覆された。
水牛の歩み、
人々の歩み、
同じ赤土の上をラオスは歩んで行く。
ゆったり流れる時間の中に、皆が共存をしている国。
ラオスには笑顔がそこらいっぱいに溢れていました。
笑ったときに目尻にシワのできる人ばかり。
みんな笑顔が素敵で、なんかこっちまで笑顔になっちゃうようで。
そんなラオスが大好きになった。
TVやドキュメントでは、その国の問題やショッキングな事実ばかりが報道される。
たしかに、経済的には日本よりも劣っているだろうし、
生命の安全面においては保証されない現実があることは知っている。
しかし、尺度を変えて、満足度・幸福度・人間としての生き様として比べれば、
断然ラオスの方が優れているんじゃないかと。
「そんな国に“支援”をして良いのか、、」
「そもそも“支援”って言葉自体どうなんだろう、、」
「満足度の高い国に果たして本当に僕らは必要なのか、、」
「貧困ってなんだ、、」
僕らの生活には、あまりに便利が転がり過ぎています。
喉が渇いても、冷蔵庫には飲み物が用意されているし、
最悪の場合にも、水道を捻れば水が出てくる。
深夜お腹が減っても、24時間営業のコンビニが僕らの空腹を満たしてくれる。
車やバイク、電車や飛行機。
それらは僕らの足となり、どんな遠いとこへでも僕らを運んでくれる。
そんなありふれた便利の中で、
僕らが忘れていまっているもの。
ただ呼吸をして、服を着て、ご飯を食べ、寝る。
そんな「生きる」に加えてもう一つ。
『活きる』ということ。
大袈裟だけど、
言葉としてそれを伝えてくれたわけでもないけど、
でも、僕は Nongtaenoy村 と関わって
確かに彼らから『活きる』を教えてもらいました。
情報化社会がますます進み、人と人との関わり方が 過疎化してゆく現代。
モノがありふれているゆえ、
僕らはそのありがたさを忘れそうになります。
モノはすべて “ある” のに、
”ない” と言い手に入れたくなります。
もう既に僕らは「幸せ」なはずなのに、
「幸せになりたい」と言います。
『活きる』は
【人が、人として、人らしく生きる】ということ。
人として大切な、けれど当たり前のことを気づかせてくれました。
キレイゴトとかそんなんじゃなくて、
僕が確かに感じとった事実の感情だから文字にしたいと思いました。
皆さんに勘違いしないで欲しいことがあります。
彼らを可哀想な人だと決めつけないでください。
彼らが笑っていない日なんてないし、
家族を心から愛し大好きで、
「ボーペンニャン(何とかなるよ)」と言えば、本当に何とかなるし。。(笑)
可哀想なのではありません。
ただ、チャンスに恵まれていない。
僕らと彼らの違いなんて、たったそれくらいに過ぎません。
でも僕らに比べると遥かに少ないチャンスの中で、
毎日を悠々自適に『活きて』いるんです。
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あなたが生きる今日は 誰かの人生最後の日だ
あなたが過ごす環境は 誰かが望んでいる環境だ
あなたの退屈な日常は 誰かの理想とする日常だ
あなたが残した料理は 誰かが欲している料理で 誰かの食べれない料理だ
あなたが嫌いな自分は 誰かが好きなあなただ
すべてに感謝をしよう
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僕が好きな言葉の一つです。
あなたは忘れてしまってはいませんか?
「生きる」ではなく、
『活きる』ということを。
「生きる」ことができる人間は、
『活き』なくちゃならないことを。
本当の貧しさとは、モノがないことでなない。
ココロがなくなってしまうこと、『ココロの貧しさ』であるということを。
【ボランティア】とは、
"〈おかん〉を大事にするようなこと "
「満足度の高い国に果たして本当に僕らは必要なのか、、」
そんな交差する感情に気づいたときから、はや2年。
それでも僕らが支援を続ける理由。
その答えは変わらず、
【目の前に大切な家族がいるから】でした。
【ボランティア】。
それはこのINCONNE生活を通して、
気づけば今後、「どうしても関わり続けたいこと」になりました。
ただ本当は、【ボランティア】って言葉はあまり好きな言葉はではなくて、なくしたい言葉です。
この言葉があるから、
どこか疎く遠い存在になってしまう。
この言葉があるから、
誰かがしないとできなくて、
自分がしなくても誰かがしてくれるだろうと思ってしまう。
この言葉があるから。。
僕にとって【ボランティア】とは、
"〈おかん〉を大事にするようなこと"です。
〈おかん〉はこの世で誰より大切な人。
僕が生まれたときから、これまでほぼずっと単身赴任の父に代わり、
〈おかん〉は女手一つで僕を育ててくれた。
誰より迷惑をかけ、
誰より金銭的援助をしてくれ、
誰より無償の愛をくれた。
仲良いかって言われるとそうでもないんですが、
それでも誰より応援してくれているのだろう、と思える。
互いに言葉にはしないけど、紛れもなく誰より大切な人です。
そんな〈おかん〉のためなら、
何だってしてあげられる。
何だってしてあげたい!
あなたにとって〈おかん〉を大切にすることは【ボランティア】ですか?
「それは別モンやん」
もしそう思うあなたは、
どうしてそう思うのですか?
それは “当たり前” のことだからですか?
3,700キロ、海を越えたそこに
僕らの関わる村があります。
家族を大切にすることが当たり前なら、
Nongtaenoy村も僕にとっては家族だから大切にするのは当たり前。
僕にとっての【ボランティア】とは、
そんな感覚になりました。
だから【ボランティア】なんて言葉がなくたって
それが “当たり前” になれば良いのになと思うのです。
それが国際協力でなくとも、
募金でなくとも良い。
身近な誰か、
あなたに関わる誰かを大切にしてあげてください。
何も難しいことはありません。
それがもう立派な【ボランティア】だから。
世界を変えるのは、
どんな政策でも法律でもなく、
『人を想う気持ち』に尽きる。
INCONNEで確信したことの一つです。
〈おかん〉が僕にしてくれたように、
〈Nongtaenoy村〉が僕らにしてくれたように。
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ここまで長文にお付合いいただきありがとうございます。
最後に、この場を借りてINCONNEのメンバーへ。
「i」と打てば、真っ先に表示されるのは二年半ずっと「INCONNE」。
こんな異質で迷惑ばっかな九角拓磨という人間をINCONNEにおいてくれてありがとう。
iPhoneの写真フォルダの7割くらいは Nongtaenoy とかINCONNEの写真で、
残し続けてきたメモもほとんどはINCONNEに関すること。
数え切れない迷惑をかけても、 何かあったときには手を差し伸べてくれ、励ましあった。
心から、「ごめんね」と「ありがとう」。
この21年間で、僕が唯一自分の意志で続けてこれた初めてのことになりました。
みんなに出逢えて本当に良かった。
団体を引退はするけど、もっともっと大きな形で恩返ししていきます。
今までありがとう。
今までごめん。
これからも宜しく。
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最初から最後まで、
僕のブログは誰より長くなりました。
今回のこのブログも、
こうして最後までお付き合いくださりありがとうございました。
今後ともINCONNEを応援宜しくお願いいたします。
INCONNE二期生 元・営業部リーダー 九角拓磨
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次回の過去ブログの更新予定は11月6日です。
お楽しみに!